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「鉛筆を見せて "What's this?"」で昔怒られました

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同じ職場の先生たちと外国語活動の授業について話していると、その熱意に圧倒されることも少なくありません。また、同じくらいに「悩んでいるだな」とも感じることもあります。先日、このブログで取り上げた「ペア練習を授業に組み込むこと」もその一つですが、What's this?/ It's ... の問答でもそれを感じます。

私の中学校時代の失敗例を話します。たとえば、表現の導入時に、鉛筆のイラストを見せて "What's this?" と言って、自問自答で "It's a pencil." と生徒たちに提示していたのです。これを「授業例1」としますが、欠点はいくつもあります。

その1 生徒たちにとっては、どんな場面なのか、全くわからない。
その2 提示された絵を見れば「鉛筆だ。英語では pencil だな」とわかってしまう。
その3 この流れでは、生徒たちの反応が組み込まれていない。

そこで、少し改善した「授業例2」を考えました。鉛筆のイラストを見せて "What's this?" と言って、子どもたちの反応を待ちます。生徒たちは口々に「鉛筆!」「pencil!」などの答えが返ってきますので、そこで満を持して "Yes. It is a pencil." と示します。でも、これでは中途半端です。

鍵になるのは、What ってどんなときに使うのか、子どもたちに実感させることです。

鉛筆のイラストを見れば子どもたちはなんの絵なのかすぐわかります(わからないような難解(?)な絵だったら、また話は別です)。そうだとしたら、"What's this?" の問いの意味は、このやりとりでは、「鉛筆は英語でなんと言うのかな? (What do you call this in English?/ What's the English word for this? ...)」ということになってしまいます。What の導入としてはそれは変です。

「授業例3」では、cueになるイラストとして鉛筆の先の部分を拡大して示したり、とても鉛筆には見えない絵を自分で描いたりして "What's this?" と子どもたちに尋ねて、「鉛筆!」「pencil!」などの答えが返ってくるのを待って "Yes. It is a pencil." と示しました。こうすれば「なんだかわからないときに What を使うんだ」ということが子どもたちに理解されるでしょう。

今、こんなことに気づいたり、書いたりできるのは、中学校時代にいろんな失敗をしてきたためです。あの頃の生徒のみなさん、ゴメンナサイ。でも、そのおかげで、今、小学校の先生たちにいろんな話ができています。

by tawashisroom | 2018-12-03 18:22 | 英語教育