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「文法授業での目標設定」を読んで


(c) .foto project


Kyle's Kingdom というblogに「文法授業での目標設定」という文が載っていました。抜粋します。
授業の到達目標が、教師にとっても、生徒にとっても、「動名詞に関する文法問題の答えが正しく選べて、例文の意味がわかる(正しい訳が言える)」になっているのである。
そこで終わらず、それはむしろ出発点にしようよ。
授業の到達目標を、その例文のどれでも、ランダムに、日本語を聞いた瞬間、クリアな発音と適切なプロソディで一気に言える、というものにすれば、そこまで行くためにやらねばならないことはおのずと見えてくるはず。
たしかにそのとおりです。

もう30年ほど前のことですが、ある研究校にいたときに、授業の目標を次のように三種類考えると授業づくりがわかりやすくなると言われました。
 ・達成目標……~することができるようになる。
 ・体験目標……~することを授業で体験する。
 ・向上目標……~しようとする。~することをめざすようになる。
これを聞いて、「そうか、授業って何かができるようになることだけを考えていてはだめなんだ」と感じ、少し授業づくりの視野が広がったことを覚えています。

(厳密に言うと、達成目標と到達目標は違うということなのですが、そこは大目に見てもらい、話を続けます。)

その当時でも、また、今でも悩んでいたのが「文法事項の習得」(つまり「言語や文化に関する知識理解」)がその授業の目標にしにくいということです。どうしても、インタビュー活動やインフォメーションギャップ活動などのコミュニカティブな活動を授業に入れたくなり、そうすると50分の授業時間の枠の中に収まりきれないのです。生徒も中途半端、教えている教師も中途半端で授業が終わってしまうことはけっこうありました。

しばらくして、音読活動の工夫を教えてもらったので多少は改善したのですが、そのうち授業が持てなくなり、授業を見る立場になってしまうと、それはそれでストレスが溜まってきます。

しかし、そんなことも上のブログを見た今、解消できそうです。「授業の到達目標を、その例文のどれでも、ランダムに、日本語を聞いた瞬間、クリアな発音と適切なプロソディで一気に言えるというものにす」る、いい言葉ですね。どんな練習が必要なのか、いくつも浮かんできます。教師の腕の見せ所ですね。

Kyle's Dad さん、ありがとう。

by tawashisroom | 2016-10-27 22:04