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メモ03 板書って必要? #英語授業再検討

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続いて板書について考えます。田尻先生の「(英語)授業改革論」にはこうあります。
板書には大きく分けて以下の3つの機能がある。
1 教師が伝えたい情報をまとめて書いたもの
2 生徒の意見を整理し、要点をまとめて黒板に書き、次の発想を促すもの。
3 問題を実際に解いて、答を導くプロセスを確認するためのもの。
このうち2と3は必要であろう。しかし、英語の授業では、板書といえば圧倒的に1(中略)が多い。2、3の板書には生徒の思考が伴うが、1は単なる作業に終わることが多い。ましてや、教師が解説をしながら同時に板書をする場合は、学年が低いほど聞くこともままならず、理解せぬままただ単に板書をノートに写すだけである場合が多い。(p.9 原文の丸数字を引用時に算用数字へ直しました)
板書については、大学時代に若林俊輔先生の授業で習った「書いたら消すな 消すなら書くな」を心がけていました。また、最初のうち板書は行き当たりばったりでしたが、板書計画を簡単に立てるようになってからは、黒板のこの辺にはその日の基本文と簡単な説明、ここには導入用のイラスト、あそこには練習用のチャート(といっても、イラストを描いた画用紙の裏にマグネットを貼ったもの数枚)など、どこに何を書いたり掲示したりするのかイメージを持って授業に臨むようになりました。




今「(英語)授業改革論」の記述を読んで、確かに私の板書は「1」が中心だったなと思います。「2」や「3」を書くことは余りありませんでした。そもそも「2 生徒の意見を整理し……」という学習活動を授業に組み込むことがほとんどなかったのかなと反省しています。

しかし、基本文を板書することが授業で役に立たなかったかといえば、そうではありません。基本文導入のあとでは、上記のチャート(イラスト入り)を使って、mechanical drill を行っていましたが、チャートのすぐ上には基本文が板書してありましたので、黒板のイラストが示す文を作るときに迷った生徒は、視線を上に移すだけでヒントとなる基本文を目にすることができます。そのために板書計画で黒板のレイアウトを考えていたわけです。

ただ、田尻先生の「理解せぬままただ単に板書をノートに写すだけである場合が多い。」という指摘はとても耳に痛いものです。「自宅に帰って授業内容をふりかえる手がかりとなるように」という位置づけだけで板書のノートへのcopyingにあれだけの時間を費やすのは、確かにもったいないですね。書かせるのならもっと他に役立つようにという「ノートの記述内容を生かしてナンボ」「一粒で二度おいしい板書写し」などをもっと心がければよかったのかと思います。そうすれば、私にとって苦手だったノート指導ももっとうまく機能できたのでしょう。

次は「教師の説明」について考えます。

※参考文献 (英語)授業改革論 田尻悟郎 教育出版 2009
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※お時間があれば次の拙メモもご覧ください。
 ・授業で勝負!  ・授業で勝負! その2 ・英語の授業での教え合い、学び合い
by tawashisroom | 2012-09-13 01:31 | 英語