Welcome to Tawashi's Room 雑記帳



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読書は体験を予測する

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田中菊雄の「現代読書法」(講談社学術文庫)に阿部次郎の「人格主義」(角川書店)からの抜粋が載っていました。(孫引きですが、今、原典を某図書館に予約しました。インターネットは便利です)
読書は体験を予想する。自ら真剣に生活し真剣に思索している人にとってのみ読書は効果がある。読書はわれわれの思索と体験とを補うことはできるが、これに代わることはできない。
これを読んで、二つのことを思いました。

まず、先日、友人のAさんから紹介された「あの歌がきこえる」(重松清 新潮文庫)です。連作短編集ですが、「いつか街で会ったなら」で始まり、「トランジスタ・ラジオ」で終わります。最後の短編では「こんな気持ち/うまく言えたことがない」のフレーズが繰り返し、効果的に使われています。

この「あの歌がきこえる」、読んでみてとてもよかったのですが、それはやっぱり、あの時代の体験があったからでしょうね。疾風怒濤の中高生時代を過ごしてきたからこそわかることがあります。「バッテリー」もそうかもしれません。中学生の息子に紹介しても、それほどの興味は示しませんでした。それは、息子が中学生時代の真っ只中にいるせいかもしれません。そして、私にとって印象深い本となったのは、すでにその時代を経験してきたからなのでしょう。(中学時代を振り返ってみれば、そのときに心に残っていた本は「宿題ひきうけ株式会社」などでしたから)

おっと、これでは「読書は体験を補強する」ですね。「読書はわれわれの思索と体験を補う」例の一つです。

続いて、英語教育についてです。

今、尊敬するIさんに紹介された本 “Research Methods in Language Learning”(David Nunan, Cambridge University Press)を読んでいます。遅々として進まないのですが、それは私のサボり癖ということでご勘弁いただいて、多様な研究方法についてその一片を囓っているという状況です。

今の率直な感想は、「本当に言語学習の研究方法っていろいろあるんだな」ということです。そして「その研究発表を読んだり、聞いたりしたときに、私はどうするのだろう」と感じました。また、私は自分のホームページでさまざまな実践を発表しています。自分にとっては貴重な取組の記録であり、まさに体験そのものなのですが、この実践を読むことは、その読んだ人にとってどんな意味があるのでしょうか。

やっぱり、読んだことから何かのヒントを得て自分の取組に生かすということがないと、発表する効果は乏しいのかと思います。つまり、読書が体験を予想するところまで行くような内容を示すことが大切です。

現在、仕事柄、自分の取組についてほかの方に話すことがときどきあります。そのときにも、この言葉「読書は体験を予想する。」を心で念じていたいと思います。
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by tawashisroom | 2009-10-11 21:44 | 英語教育


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