Welcome to Tawashi's Room 雑記帳



メモ33 練習では、生徒の間違えがまわりにバレないような配慮を #英語授業再検討

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「英語授業ハンドブック」では、単語の発音練習の時には、全体→列→個人という段階を踏むと、生徒の心理的不安を軽減することができると書いてあります。そのとおりです。この「心理的不安の軽減」が英語授業の雰囲気作りには大切です。

授業をしていたころ強く感じていたのは、生徒は間違えるのが嫌なのではなく、間違えたことを周りの級友に知られるのを恐れているなということです。そんな思いを持っている生徒が増えていたという実感はありました。では、どうすればいいのでしょうか。



英語の授業でも、他の教科の授業と同じように、生徒は間違えます。それは、しかたがありません。そのとき、生徒のプライドが傷つかないように、間違えてもそれが周囲に知られないような授業の流れを考えることが必要です。

例えば、単語の発音練習、目標文の口頭練習のときには次のようにしていました。同じようなことはほとんどの先生方がやっていることと思います。
1 一斉
キューを出して、私も生徒も一緒に答えを言う。
2 一斉
キューを出して、生徒が答えを言ったあと、私が正解を言い、生徒は繰り返す。
3 ペア
一方がキューを出し、もう一方が答える。終えたら交代する。全ペアが同時に行う。
4 個別
確認のため、私が指名したり、発表を希望したペアが全体の前で発表する。

英語が不得意な生徒が発音や英文を間違えても、「1」ではまずバレません。そんな生徒は英語を言わないこともあるし、自信がないので声が小さいこともよくあります。一斉学習で生徒全体の声はうるさいですし、生徒は私の方を向いていますので、間違えた英語が聞こえても、誰のことやらわかりません。「2」でもほとんど同じです。

実は「3」になっても、生徒の英語の間違えがバレるのはペアの相手だけです。クラス全体が間違いに気づくなんてことはありません。それに、「1」「2」と練習を積み重ねているので、間違えることもほとんどなくなっています。(ここで間違えるようでは、練習の内容が適当ではないということです)

このような手順を組み込んだり、次回の投稿で示すような働きかけを子どもたちにすることで、生徒のプライドが守られ、そして、少し強くなり、好ましい授業の雰囲気づくりにつながっていくと思っています。

生徒のプライドといえば、以前の投稿「英語教育、この一冊」にも書きましたが、若林俊輔氏の次の指摘は今でも覚えています。
ある授業を見た。 This book is Tom's.という文を黒板に書き、「このthisはどういう意味かな」と言いつつ生徒の机の間を歩き回り始めた。「さあ、アテルゾ、アテルゾ、ダレガアタルカナ、ソレ、A君。」A君は小さな声で「コレ」と言った。「コレか。 う-ん、そういう意味もあったが、ここではちがうぞ。サア、ダレガアタルカナ、アタルゾ、アタルゾ、ハイBさん。」Bさんは「コノ」と小さい声で言った。「そう、その通り」と教師は言った。──この教師、まったく人情味あふれる人で、上の場面でもけっして強迫的なところを感じさせなかった。しかし、「アタルゾ、アタルゾ」と言いつつ歩き回る間、クラス中はシーンと静まり返っていた。生徒全員が身を縮めて、アタッテはかなわないと恐れおののいていると見えた。A君がアタルと、ホーッとため息が出てくる。Bさんの場合も同じ。(「これからの英語教師」若林俊輔 大修館書店)
自戒、自戒。

※参考文献 大修館 英語授業ハンドブック 中学校編 金谷憲代表編集 大修館書店 2009

※お時間があれば次の拙メモもご覧ください。
 ・授業で勝負!  ・授業で勝負! その2
 ・英語の授業での教え合い、学び合い
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by tawashisroom | 2013-11-16 09:58 | 英語教育
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このBlogは拙ホームページ「こんな英語の授業をしています Welcome to Tawashi's Room」の雑記帳です。最初の記事は1998年10月30日でした。
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