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ダイアログ・イン・ザ・ダークに参加して気がついたこと

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前々から興味があり、職場でも知っている人がいた「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(Wikipediaでの紹介はこちら)に、連休の一日を使い、思い切って参加してきました。収穫は大でした。

参加費は5,000円。今の私にはちょっと大金です。また、真っ暗闇の中で部屋を移動することも「いったいどうなるんだろうか」と気がかりでした。それ以上にドキドキしていたことは、事前にホームページやWikipediaなどで「参加者は8人以下のグループを組む」ことが分かっていたことです。一人で参加した私はどうなることやらと少し不安がありました。




13時開始ですが、8人の定員いっぱい集まりました。構成はほとんどが20代から30代。私だけが50代です。カップルが2組(あとで分かったことですが、1組はご夫婦、もう1組は恋人同士です)。女性の友達同士の二人連れが1組、単独参加が私を含めて2人です。合計すると男性3、女性5でした。

集まった8人はスタッフの案内でかなり暗い部屋に通され、そこで案内役(アテンドスタッフ)に紹介されます。案内の「○○○っち」さんは視覚障害者ですが、とても朗らかな方で、言葉や姿勢などあちこちにさすがにプロだというところが感じられました。

その部屋で自己紹介をして、それぞれニックネームを名乗ります。ここではまだぎこちなさがありました。私は大学時代に呼ばれていた「大将」としました。視覚障害者が使う白杖を各自が持って出発です。

次の部屋は完全に光が遮断された真っ暗闇でした。漆黒という言葉を思い出しました。ここからいくつかの部屋を回り、「暗闇の中で梅雨を楽しむ『レインバージョン』」レインバージョン」を体験しました。(詳しい内容は、後日みなさんが体験するかもしれないのでそのときまでのお楽しみ)

全部で1時間半余りのツアーでしたが、いろいろな発見があり、収穫大の一日でした。そのなかで最も強く感じたのは、言葉って温かいなということです。

真っ暗闇なので、移動は案内役の「○○○っち」の言葉とそしてその近くにいる人の声です。ニックネームで「□□□、ここです!」といってもらい、その声を頼りに近づいていって、自分の手が相手の手に触れて「大将です」「□□□です」と言い合ったときのうれしさ、とてもいいものでした。

また、時には逆になり、「○○○っち」から「大将さん、ゴール役としてしばらく腕を前へ出しておいてください。みなさん、大将のところへ集まってね」と頼まれて、腕を出しながら「大将はここです」と何度も声に出していると誰かの手が触れるので「僕、大将です」と言うと「わたし、△△△です」と答える声にこもっているうれしさ、こちらにも伝わってきました。

最初はぎこちなかった8人でしたが、アテンドの「○○○っち」の巧みなリードのおかげて、最後にはすっかり仲良くなりました。声を掛け合うことのうれしさ、それから暗闇で相手に触れることの安心感、この2つがグループづくりに役立つんだなと実感しました。もちろん「相手に触れる」といっても不愉快なことが起きないように「手の甲を前にして腕を出してください」などの指示が最初に「○○○っち」からありまして、みんなきちんと守っていました。

発見したことはその他にもいろいろとあります。暗闇で聞こえる音の面白さ、白杖で地面の様子がある程度わかること、活動の終わりにソファに座って感想を語り合うシェアリングの大切さ、数え上げれば切りがありません。そのなかで「言葉の温かさ」を感じ、仲間づくりのうれしさを実感できたのは大きな収穫でした。
by tawashisroom | 2013-07-15 13:22 | 仕事の進め方