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メモ15 fast learners への指導  #英語授業再検討

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きっちりした授業の雰囲気をつくるためには、英語の苦手な子が授業に取り組む工夫をするとともに、英語の得意な子の気がゆるまないような授業づくりが大切です。田尻先生もこう書いていらっしゃいます。
熱心な先生ほど全員がわかるまで丁寧に教えようとされ、slow learners(学ぶことが遅い生徒、late developers という呼び方もある)の指導に多大な時間を割いておられる。

では、fast learners はどれぐらい手厚くみていらっしゃるだろうか。

「先生、できました!」と嬉しそうに手を挙げた児童・生徒は、その後何をしているのだろうか。待っている、いや待たされているのではないか。(pp.76-77)
いやはや、耳の痛いところです。そのために、私は二つのことを心がけていました。

実は、大村はまさんも同様のことを書いていたと思って、あちこち自分のメモを見たのですが、どうも見つかりません。たしか「授業を創る」だと思ったのですが。きちんとメモを取らなくてはいけませんね。




たとえば、田尻先生のお示しの「待たされている」ことで、生徒の気持ちが緩むんです。気が緩むと、学習に対して集中できないので、なかなか本人の力が伸びません。それにもまして、この人たちは英語の授業の中心役を務めていることが多いので、この気持ちの緩みはすぐに学級全体に広がります。そうすると、得意な子が苦手な子を見下したり、苦手な子が劣等感を強く抱いて授業を投げ出したりすることが起こりやすくなります。

そんなことが起きないように、この fast learners への指導の工夫として、次の二つくらいを心がけていたつもりです。でも、できないことも多々ありました。ゴメンナサイ。

その1 fast learners が自分のレベルにあった活動を選べるようにする
メモ10で触れた、絵付き英作文のコース別ワークシートなどがこれにあたります。1枚のシートの中に3種類のコースがあるので、自分でどのコースに挑むのか、選ぶことができます。

その2 問題数を等しくするのではなく、活動時間を等しくする
Danganインプットを真似た「Quick, Quick, Quick」などの記録付き口頭練習では、「○○問終わったら活動終了」ではなく、「○○秒間でいくつできるかな」パターンで活動を進めました。

もちろんこの2種類の取組みだけでは対応できないことがずいぶんありました。そんなときには、大村はまさんの次のセリフを自分の頭のどこかにおいて、授業づくりに足掻いていました。
できるとかできないとかということを忘れて,全力をふるって,うちこんでやっていく。一生懸命やっていく,その向こうで,その気持ちのなかで,できる子ども,できない子があっても,そんなことに関係のない世界をつくっていくことができないか。(中略)おもしろい授業を力いっぱいさせて,生徒に自分が劣っていることを忘れて打ち込ませるところまではもっていかなくてはと思っています。みんな一生懸命になっているとき,そんなことが気にならなくなってしまうのですね。そういうところを目ざして,いろんな工夫をしてきました。[「大村はま国語教室11 国語教室の実際」p.310]


※参考文献 (英語)授業改革論 田尻悟郎 教育出版 2009
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※お時間があれば次の拙メモもご覧ください。
 ・授業で勝負!  ・授業で勝負! その2
 ・英語の授業での教え合い、学び合い
by tawashisroom | 2012-12-16 18:34 | 英語