Welcome to Tawashi's Room 雑記帳



即興で話すことってそんなに難しいかな

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英語の先生方と、授業中の「話す活動」について話す機会がありました。どんなふうな活動が授業でできるのか、そのためにはどんな準備が必要なのかなど、さまざまな点が俎上に載せられたのですが、一点気になったことがありました。それは、話の中で出た「準備して話す活動を積み重ねていって、即興で話すことにつなげる」という意見です。

中学校の英語の授業では、「話すこと」を「原稿を書くなどの準備をして話す活動( prepared speech )」と「その場で即興で話す活動( impromptu speech )」に分けて考えることは大切です。この二つはそれぞれ活動の準備が異なり、それぞれにふさわしい授業設計を行うことが必要だからです。

実は、私自身も「まず、 prepared speech をしっかりやって、それから impromptu speech に移ろう」と思っていた時期もありました。教師になってから相当長い期間、そう思っていました。

でも、そう思いながら授業を進めていると、なかなか impromptu speech の活動に手が着かないんです。その理由は三つあります。

まず、prepared speech の活動に時間が掛かってしまうからです。生徒がスピーチ原稿を書いて、こちらがチェックして、生徒が原稿を覚えて発表する。かなりの時間が掛かります。終えたときには、生徒も教師もぐったりしてしまいます。そして、年間指導計画の中で「話すこと」に割り当てられた授業時数が尽きてしまいそうになります。Impromptu speech をやるには時間が足りません。

次に、prepared speech のあとに impromptu speech をやろうとすると、 同程度の内容の speech を求めてしまいがちです。それはそうですよね。同じ speech 活動だと生徒も教師も思っているですから、「おおむね満足」とするスピーチ内容も同じような水準を頭に浮かべるのが自然なことです。ただ、日本語でもそうですが、原稿を作って話すのと、その場で話すのでは、前者の方が内容が盛りだくさんになることがほとんどです。英語でも同様でしょう。

最後に、これは自分の指導が下手だったからだと思うのですが、 prepared speech で苦労した生徒が多く、次の impromptu speech に取り組む意欲が残っていないのです。「原稿を書いたスピーチであれだけ苦労した上に、さらに、今度は原稿なしのスピーチ? はぁ。」というぼやきが聞こえてきそうです。

ただ、 impromptu speech の実践 “Our Chat Will Go On”をやって思ったことは、それまでとは逆でした。

まず、prepared speech の経験を重ねなくても、 impromptu speech は実践できるということです。もちろん、 prepared speech の経験が生きるところもありますが、むしろ、 impromptu speech を念頭に置いた練習のほうが重要でした。

そして、中学校の授業で取り扱う限りでは、impromptu speech で生徒が話す内容は、prepared speech ほど充実していなくてもかまいません。「おおむね満足」として設定するレベルは、impromptu speech のほうが prepared speech よりも低くなります。同レベルまで引き上げるためには、とてつもない授業時数が必要になり、年間指導計画が破綻してしまいます。105時間(平成24年度からは140時間ですが)の中でやるためには、その中で可能な目標を設定するしかありませんし、それが真っ当な道なのです。

また、もしかすると最大の障害は「 impromptu speech は難しい」という教師側の思い込みかもしれません。難しいから手を付けない。また、どうせやるのならある程度の高さをめざしてしまう。昔の自分もそうでした。だから、 impromptu speech を単元の中心に据えることはほとんどなかったのです。

今、思っていることは「1年間で prepared speech の単元を2回計画しているのだったら、1回に減らして、もう1回は impromptu speech の単元にした方がいい」ということです。では、具体的にどうすればいいのか。ある程度は“Our Chat Will Go On”で触れたつもりですが、まだまだ言葉足らずのところがあります。いつか、じっくり考えてみたいと思います。
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by tawashisroom | 2010-01-14 00:03 | 英語教育
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このBlogは拙ホームページ「こんな英語の授業をしています Welcome to Tawashi's Room」の雑記帳です。最初の記事は1998年10月30日でした。
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