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「ああ、自分のことを忘れていないんだな」

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先日、インターネットでいろいろなサイトを見ていたら、次のような文章にぶつかりました。
(前略)うちでは、時間のかかるカツカレーを注文した方がいらいらしているようなそぶりをしたら、その方に代わって、従業員が厨房に、「カウンターの方のカツカレーはまだですか?」と聞くようにしています。そうすれば、待っている方は、「ああ、自分のことを忘れていないんだな」と思える。
 サービスとはお客さまの身になって、洞察力を働かすことです。大声で「らっしゃい!」とか「ありがとございまーす」とか声を張り上げることじゃない。うちは町の食堂ですから、会釈でいいし、あいさつに大声はいりません。大声よりも、心をこめて、ありがとうと言うことです。(後略)
(「なぜCoCo壱番のカレーは高くても売れるのか?」)

さすがにCoCo壱番屋の創業者の話です。「うちは町の食堂ですから」という言葉にも惹かれましたが、一番興味を持ったセリフは「ああ、自分のことを忘れていないんだな」です。

「カウンターの方のカツカレーはまだですか?」うまい表現です。まだできていないのですから「すぐ出します」とは言えません。でも、お客さんの不満や不安を代弁して、柔らかに仲間に伝えています。

仕事をしていて、どうしようもないときがあります。一人で悩んでみても仕方がないのに悩んでしまう。他の人に代わってもらうこともできない、また、他の人がどうすることもできない、切羽詰まったときです。

そんなとき、だれかが上司に「○○があと一歩なんですが。」と話しているのを耳にすると、心配してくれているんだと少しホッとします。問題を抱えているときに、自分が忘れられていない、だれかが気にしてくれているとわかることは大切です。

授業ではどうでしょうか。

何をするのかわからない子ども、次にやることはわかっているのだけれども不安いっぱいな子どもはたくさんいます。授業がうまい先生は、知らず知らずのうちにその不安を解消するような投げかけをしているのです。

それは先生の笑顔なのかもしれません。「こんなこと、できるわけないと思っているだろう」の一言かもしれません。もしかすると、先生がわざと間違えることもあるでしょう。

それが授業です。指導案にはそこまで書けません。でも、他の人の授業を見せてもらうとたまに気がつくことがあります。

授業って本当におもしろいですね。
by tawashisroom | 2009-12-26 19:54 | 英語